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色再現度 NTSC比70%以上の画面はノートPCとしては色あざやかといえます。消費電力の点は不利になります。
実はノートPCは一般的に画質、特に発色の鮮やかさに劣ります。
(理由については下記のコラム「ノートPCで高画質が難しい理由」を参照。)
発色に優れたノートPCは色域とか色純度とか色再現範囲などの言葉を使用して違いをアピールしています。
(色再現範囲については下記のコラム「色再現範囲について」を参照。)
スペックとしてはNTSC比○○%とかsRGB対応とかAdobeRGBカバー率○○%などと表わされます。
一般的なノートPCではNTSC比50%位ですが、高発色を謳う製品では70%以上、中には137%なんていう製品も出ていたことがあります。
(一般的なデスクトップPC用液晶およびCRTで70%位です。)
ちなみにsRGBの色域はNTSC比で言うと72%に相当するようですが、NTSC比72%だからといってsRGB対応とは限りません。
(範囲が合致しないと対応とは言えませんので)
(sRGBについては下記のコラム「sRGB」を参照。)
今のところ、AdobeRGBカバー率などという言葉を持ち出すようなことは、よほど発色に自信のある画面を搭載したノートPCでない限りありません。
下図のような色度図(図はイメージであり正確なものではありません。)で赤い三角形がAdobeRGBで表現し得る色の範囲とすると、実際に表示できる色の範囲が青い三角形だった場合にその面積の比率を百分率で表したものがAdobeRGB比○○%というように表現されます。
同じ様にしてNTSCで規定された色表現範囲に対して実際に表示できる色表現範囲の面積比をNTSC比○○%というように表現します。
ここで注意しなくてはならないのは範囲が違っても面積が同じなら100%になってしまうと言う点です。
例えば、ディスプレイとプリンタどちらもNTSC比100%の色再現範囲を持つとしても必ずしも全て共通の色が表現できる訳ではないということになります。
これを憂慮してカバー率という表現が提唱されました。カバー率は色表現範囲の一致する部分面積比率を表します。例えAdobeRGBと同じ面積の色表現範囲があっても一致する部分が90%しかなければAdobeRGBカバー率90%となります。

CIE色度図イメージ(正確なものではありません。)
色を再現できる範囲は製品によって異なります。例えば、データとしては「目一杯緑色」だったとしても、実際に表示されたり印刷されたりする緑色は製品によって変わってしまいます。
これをどの製品でも同じ色を表現できるようにするために、色再現範囲を規定したものがsRGBです。
sRGB対応となっている製品でsRGBカラープロファイルを使用していればどの製品でも(ほぼ)同じ色が再現できるというわけです。
一般消費者は多少色が変わっても困ることはほとんどありませんが、クリエイターやデザイナーなど作ったものが違うように再現されては困る職種や業種では必須となっています。
近年ではsRGBよりも色範囲の広いAdobeRGBも規定され、徐々に対応製品も出てきています。
ノートPCは消費電力(≒発熱)に厳しい制約を持っているためと思われます。
ノートPCは持ち運ばれたり、画面を畳んだり、さまざまな形態で使用されるため、デスクトップPCやテレビなどのように画面に放熱のための穴をたくさん開けたり筐体を大きくすることができません。つまり、安易にバックライトを強く(発熱を大きく)することができません。
液晶ディスプレイは基本的に光を遮ることで色を生み出す仕組みになっています。少ない消費電力でも明るい画面にしなくてはならないとなれば、あまり光を遮らないようにするという対処法も考えられます。
カラー液晶はバックライトの光をR(赤)G(緑)B(青)色のフィルターを通して色を表現します。白はこのRGB全ての色が混色されて表現されているのです。このRGBのフィルターを濃くすればよりはっきりと鮮やかな赤・緑・青が表現できますが暗くなります。逆に薄くすれば、白っちゃけますが、明るくできるのです。
そのためノートPCではどうしても白っぽくてノイズが多い画質になってしまいがちです。特にバッテリー駆動時間を重要視するUMPC(Ultra Mobile PC)などでは画質に期待はできません。
ノートPCの画質が悪い場合の原因のひとつです。
もう一つの原因は画像の信号がRGB各色6Bitで送られていることにあります。つまり、赤・緑・青それぞれが2^6=64階調(段階)を持ち、トータルで(2^18)64^3=262,144色の表現ができることになります。しかし、現在デスクトップも含めたPCの世界でフルカラー(Full Color)とかトゥルーカラー(True Color)とか呼ばれるものは、RGB各色8bitつまり、2^8=256階調(段階)を持ち、トータルで(2^24)256^3=16,777,216色の表現ができるのです。
信号伝達量も消費電力にかかわりがあります。恐らく液晶をコントロールするドライブユニットも6Bitの方が低消費電力なのかもしれません。いずれはノートPCでも8Bitが当たり前の時代が来ると思われますが、どりあえず2011年においてはほとんどのノートPCが6Bitを採用しているのが現状です。8Bitを採用している製品であれば「売りポイント」として大々的に謳うはずです。それくらい、ノートPCの世界では8Bitの採用機種は希少です。
ただ、どの製品情報を見ても26万色なんて言っていないですよね。ほとんどが1677万色あるいは1670万色1619万色と謳っているはずです。そのからくりは下のコラム「ディザリング」をご覧下さい。
ノートPCの仕様を見ているとディザリングという記述が見られます。
現在のノートPCのほとんどがディザリングを使用してフルカラーレベルの約1600万色を表現しています。
このディザリングですが、英和辞典で調べてみると「揺れる」とか「震える」とかあります。そして、その言葉の意味の通り色を揺らすことで表現色を水増ししているのです。
そのからくりは2通り、近隣の画素と合わせて揺れる方法と時間で揺れる方法です。
まず近隣の画素と合わせて揺れる方法ですが、Spatial Ditheringと呼ばれます。
←これを見て下さい。パッと見オレンジ色に見えますよね。
でも、よく見てみると、赤色と黄色が交互になっているのが分かりますか?
拡大してみると。
←こんなです。
オレンジ色を表現できなくても赤色と黄色が表現できればオレンジ色っぽいものは表現できます。これがSpatial Ditheringの原理です。
この方式では原理的に8Bitパネルのフルカラー1677万色と等価な表現は不可能であり、1619万色と謳われる場合はこちらの方式である可能性が高いと思われます。ただし、1677万色と謳われている製品でもこちらの方式である可能性が無いわけではありません。8Bitパネルのフルカラー1677万色と等価ではない1677万色というのは不可能ではないためです。
試せるなら、中途半端な中間色単色を画面いっぱいに表示させてみてください。例えばデスクトップの背景を単一色として色も規定の色を選択するのではなく、自分で色を作成します。そして、画面を目を凝らしてよく見てください。一定の間隔でちょっと違う色に見える画素が混ざっているように見えるようであれば、この方式を採用しているディスプレイです。
実際には単色を一面に表示するようなことはあまりありませんし、既に26万色表現できている上でこのようなことをやるのでよほど分かり易い画像で注意して見ることをしない限り分からないでしょうが、通常使用でもなんとなく画質が悪いと感じることがあるかもしれません。複数の画素で1つの色を表現しようとしているので実質の解像度が悪化するためです。
次に時間で揺れる方法ですが、Temporal Ditheringと呼ばれます。
←ゆっくり赤色・黄色が入れ替わっていますが(速くしたらなんか画面や目に悪そうな感じがしたのでゆっくりにしましたが。)、これも素早く入れ替えたらオレンジ色に見えます。
試せるなら、こちらも中途半端な中間色単色を画面いっぱいに表示させてみてください。例えばデスクトップの背景を単一色として色も規定の色を選択するのではなく、自分で色を作成します。画面表示が落ち着かずチラチラして見えるようであれば、この方式を採用しているディスプレイです。
こちらも実際には既に26万色表現できている上でこのようなことをやるので通常使用ではあまり分からないかと思いますが、なんかチラチラすると感じたり、目が疲れやすくなったりするかもしれません。
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