ノートPCでは十分なキーボードスペースが採れないため、工夫したり妥協したりしてキーボードを本体に収めています。
キーピッチとは隣り合うキーの中心線の間隔を示します。
ノートPCに限らず、PCのキーボードの標準的なピッチは約19.05mm、つまり3/4インチです。
なのですが、本体にキーボードを搭載し、本体の大きさに制約のあるノートPCでは、標準的なピッチでキーボードを収めることができない場合があります。
まず最初に、ノートPCにおいては制御キー(Fnキーや[Home]、[End]など文字を打つ目的以外のキー)の標準的な配列が確立されていないため、これらのキーが小さくなったり、配置を変更されたりします。
文字を打つなど主要なキーの配列まで変えてしまうと著しく操作性を損なうため、主要なキーの配列は大抵維持されますが、そのとき標準ピッチ約19.05mmとして19.05×15=約286mmの幅が必要になります。
この幅は画面サイズでいうと13インチ程度となるため、筐体の縁の取り方やデザインにもよりますがおおむね13インチ以上(実際の製品としては12.5インチ以上)のノートPCでは標準ピッチのキーボードが搭載されることが多くなります。
逆に言うとこれより小さい画面サイズのノートPCではどうしても標準ピッチのキーボードは収まらないため、工夫、あるいは、妥協してキーボードを小さくする必要があります。
キーボードを小さくする手法は以下の通りです。
キーボード全体を縮小コピーするようなイメージで小型化します。
キーピッチが標準より狭いといっても、悪いことばかりではありません。そもそも標準としても日本人に合わせた標準ではありませんので、あまり手の大きくない人にとって標準ピッチは若干大きすぎるものです。キーボード全体が小さくなるとホームポジションに手を置いたまま届くキーの範囲が増えるため、操作効率が一段と高まる可能性すらあります。
個人的には18mm前後が扱いやすいと感じています。
ただし、複数のPCを扱う人にとっては機種によってピッチが違うことで煩わしさを感じる可能性がありますので要注意です。
また、全てのキーを等倍率で縮小しているケースはほとんどなく、下記の一部キーを小さくする手法を併用しているケースがほとんどです。
中には縦方向のピッチのみを圧縮している製品もありますが、これが人によっては(といいますか筆者がですが)極端に打ちづらく、操作効率が落ちる曲者ですので要注意です。小型のノートPCでパームレスト部分が広めに見える機種は要注意です。
主要キーの中でも英数字キー以外のプライオリティは低いと判断して、そのキーを小さくしてしまうという手法と取る製品もあります。
比較のために標準的なノートPCのキーボード配列例を示しましょう。

ノートPCのキーボード配列例(クリックすると別画面で拡大表示します)
次に重要度の低いキーを小さくした例を示します。

一部キーの小さいキーボード配列例(クリックすると別画面で拡大表示します)
右側の英数字でないキーが標的になりやすいです。また、矢印キーも含めてキーボードを長方形に収められるとコスト的に有利なため、右下の配列が入り乱れるケースが多いので要注意です。
また、左上の方では[半角/全角]キー([漢字]キー)の配置が変えられるケースがありますので、こちらも要注意です。
標準ピッチにこだわる小型ノートPCでは、ピッチを狭める手法を使用せずにこちらの手法のみを採用する製品がありますが、大勢ではありません。
上記「ピッチを狭める」「一部キーを小さくする」どちらの手法を使用しても間に合わないくらい小型なノートPCでは、複数ある[Shift][Ctrl]などのキーを1つにしたり、使用頻度の低いキーを省略したり、他のキーと併用させたりして、キーの総数を減らしてしまう場合もあります。
2011年においては、ノートPCの価格下落とタブレットPC/スレートPCの台頭により、超小型ノートPCの製品が無くなってしまったため、目立ってキー数の少ない製品は見当たりません。

