キーボードの剛性感は操作性確保の重要な要素です。スペック(仕様)ではほとんど分からないものですが、特別に記載しました。
スペック(仕様)について説明するページで剛性感について語るのはどうかとも思いますが、一応記述しておきたいと思います。
もともと、タイプライターを元祖とするPCのキーボードは分厚く、キーを押下したときのストロークも大きなものでした。そして、手の動きに沿うように湾曲させたステップスカルプチャキーボードなどがもてはやされていました。
ノートPCにおけるキーボードはいかに操作性を損なわずに薄く、軽くするかがポイントでした。当然湾曲などできるはずもなく、平板なものでした。
なかには画面を開くと同時にキーボードがせり出してストロークを確保するなんていう凝った製品もあったりしました。
慣れの問題もあるのでしょうが、徐々にノートPCの平板なキーボードは受け入れられました。ですが、より薄くより軽くという設計思想に変わりはありません。その中でノートPCのキーボードは一つの壁にぶち当たりました。
それが剛性(感)です。キーボードは一つのアセンブリパーツとなっていて、本体側の上面の大部分を占めています。この部分は筐体をいくら強固にしてもキーボードそのものがヤワであると、打鍵するときにキーボード全体がたわんでしまうのです。
薄く軽くと剛性(感)。これを両立する一つの回答がチクレットタイプ(浮石型)のキーボードでした。アイソレーションキーボードとも呼ばれます。実はこのタイプのキーボードは特に新しいというものではなく遡れば有名処ではパピコン(NEC PC-6001)などに搭載されていた歴史あるものです。これが現代に蘇ったのはしばらくの間見かけなくなっていたことでデザイン的に目新しい感覚が得られるようになったという点が大きそうですが、各キーの間にもフレームが通っていて筐体と剛結されている、さらにそのフレームをキーボードの基板とも剛結することで剛性(感)を十分に確保し、キーボードの操作性向上をも確保できたことがインパクトあるものとなった原因でしょう。反面キーボードパーツを外して本体内部のメンテナンスを行うという形は取れなくなるのですが、軽さ薄さと剛性(感)を両立させたい小型ノートPCを中心にかなりの速度で浸透しました。
しかし、気を付けなければならないのがこのチクレットタイプのキーボードの流行を受けて、その形を真似ただけの製品も多く出てきたことです。キーボードが筐体と剛結されていなかったり、酷いものになるとキートップの形状をそれっぽく見せているだけで構造は従来通りという操作性の点では改悪しただけの製品もあります。
さらに難しいのが、パッと見ちゃんとしたキーボードに見えるのに触れてみるとベコベコに撓むという製品も出てきているということです。こうなると本当に実物に触れてみるしか確認の方法は無く、スペック(仕様)では全く判断することができません。
ただし、傾向としてはやはり個人向け(コンシューマ)とされる機種はキーボードの使用頻度が低く見積もられているためコストダウンの対象にされやすい他、コスト低減が行き過ぎているメーカーや、そもそも低価格機として開発している機種でおざなりになりやすいものです。一般論になってしまっていますが。