ストレージはHDD、SSDと大きく特性の異なる2種類のパーツから選択することができます。
ストレージとは記憶媒体のこと指します。ここでは本体内蔵で電源を切断しても消去されない記憶媒体(HDD,SSDなど)に限定して話を進めます。
現在のストレージには様々な需要と課題があります。
ここでは、これらの要求に対する回答(製品)を見ていきましょう。
HDDとはHard Disk Driveの略称で、平滑な円盤上に磁性体を塗布して、磁気を帯びさせることでデータを記憶する装置です。
円盤を回転させながら、ヘッドを狙いの位置に動かしてデータの読み書きを行います。円盤は製品によりけりですが5400rpm~7200rpmという高速回転をしており、ヘッドはその円盤に対して肉眼ではくっ付いているようにしか見えないくらい接近した距離を保ちながら外周~内周を行き来します。
そのような構造ですから、原理的に振動・衝撃に弱いデバイスです。特に持ち運んだり、キーボード操作などで直接本体に振動を与えるノートPCでは故障原因の多くを占めることになります。そのため、故障を防ぐ手立てを施されることもあります。
詳しくはHDD衝撃吸収構造、HDDヘッド退避を参照ください。
HDDは時代とともに着実に容量を増加させてきて、PCの世界では地味ながらももっとも確実に進歩してきたデバイスともいえます。2011年においてはノートPCで標準的に使用される2.5インチHDDで最大容量1TBに到達しています。
HDDの容量増加はデータの密度を向上させることで達成されます。基本的に円盤の面積は変化せず、データの1区画の面積が縮小されていきます。そうなると円盤が1周する間に読み書きできるデータは増加するため、連続するデータの読み書きの速度はおのずと向上していきます。ただし、データ密度には比例せず、おおむねデータ密度の平方根(√:ルート)に比例となります。
一方、読み書きしたいデータが連続していない場合は、データがある位置までヘッドを移動させる必要があります。また、円盤が回転しているため、データがある位置とヘッドが出会うまでに最悪1回転、平均でも1/2回転待つ必要があります。いわゆる「ランダム読み書き性能に劣る」というわけですが、こちらはHDDの構造上、回転数を増やさないと向上させることができません。
つまり、HDDが進化していくと、容量が増え、連続するデータの読み書きはそれなり速くはなるが、ランダムなデータの読み書きはほとんど速くならない。というにことなります。
HDDの利用価値は作業用から倉庫に変化していくのです。
SSDとはSolid State Driveの略称で、電子集積回路に電荷を蓄えさせることでデータを記憶する装置です。
物理的に可動する部位が無いため、静かで、振動・衝撃に強いデバイスです。また、多くの場合、HDDよりも軽いです。形状自由度も高く、HDDより小型な製品も比較的楽に開発できます。
また、読み書きは全て電子の移動によってなされますので、データの連続性や場所による得手不得手の差が比較的少なくHDDの数倍~数十倍の速さでデータの読み書きが可能です。
現在ではフラッシュメモリーを記憶領域として使用していますが、書き込みを行うたびに回路が徐々に損傷していき、やがては正常に機能しなくなります。その耐久性は半導体技術が進んでプロセス(設計単位)が細かくなるほど減少していきます。
一方、容量・コスト的にはHDDに全く歯が立たず、容量が少なくコストの高いデバイスですが、これを解決するにはプロセス(設計単位)を細かくするしかなく、上記の問題がますます大きくなっていきます。
上記の問題を解決するために、同じ場所に集中して読み書きしないようウェアレベリングの機能を向上させたり、多少の損傷があっても機能するようにエラー訂正機能を向上させたりと努力していますが、これらは全てソフト的な解決方法であるため、そのソフト(ファームウェアと呼ばれます)の出来如何で大きく品質が左右されることもあり、まだまだHDDに比べて安定しているデバイスとは言い難い状況です。
とはいえ、良品のSSDの寿命は製品や読み書きの頻度にもよりますが、長いと人間の寿命を超える場合もあり、末端ユーザーであるわれわれがそれほど気にするものでもありません。
実際筆者も数台SSDを所持・使用していますが、1台も故障していませんし、おかしな挙動もしていません。
SSDが出始めた頃は進化が著しかったため、数年後にはHDDを凌駕するなどという論調もありましたが、HDDが堅調に進化しているのに対して原理的にフラッシュメモリーの方が未来が無いことは分かっていますので、今後もしばらくの間は少なくともコスト・容量の点でHDDを超えることはおろか、並ぶことすらできません。
ただし、SSDの速さはやはり魅力的ですので、作業用には向いているかと思います。
新しいメモリー方式が模索されていますので、そのなかのいずれかが実用化されてからが勝負でしょう。とはいえ、まだ実用化されていないのは容量・コスト的にフラッシュメモリーの足元にも及ばないためであり、まだまだ未来の話と言えそうです。
ズバリ、容量が少なくて価格が高いことが許せるならばSSDの搭載をオススメします。
しかし、扱うデータ量が多くて、外付けHDDなどを接続・管理するのも面倒であるならば大容量のHDDを選択した方が無難です。
大型のノートPCなどでストレージを2台搭載できる製品もあったりしますので、作業用にSSD、倉庫用にHDDとすると適材適所です。ただし、用途分けで管理とか面倒くせ~ならHDD一本が無難です。
----- 【性能】 目次 -----